従来の平仮名を中心とした表音文字で構成されていた点字では概ねこの様な書き方になります。
「
くまさんと はちさんの おはなし」
この短文を読み手はどう解釈するのでしょうか?
童話の好きな方
は「
クマさんとハチさんのおはなし」、落語の好きな方は「
熊さんと八さんのお噺」と、それぞれの感性により全く異なったものになってしまいます。
従来の点字では避けられない問題も、漢字、平仮名、片仮名を区別できる漢点字はこの様な問題は起きません。
漢点字は表意文字である漢字の特長を損なうこと無く点字で表現できるすばらしい点字体系です。
漢点字の基本は通常の漢字と同じで
偏と
旁で構成されています。
たとえば字という文字はうかんむりと子という文字で構成されています。通常のかな点字でうとこに相当する点字を並べ、うの左上に漢字の始まりを示す点(始点)、この右上に漢字の終わりを示す点(終点)を配し、かな点字との区別が出来る構成になっています。
この例では2マスで1つの漢字を表していますが簡単な字は1マス、複雑な字は3マスというように1マスから3マスで1つの漢字を表します。